今日は、地元FM局「エフエムみしま・かんなみ(FMボイス・キュー 77.7MHz)」さんで担当しておりますコーナー「音楽のある暮らし(第4土曜日11:20~)」の6月27日(土)放送分より、お話をさせていただこうと思います。
今回のテーマは、「中古ピアノの選び方」について。
ここで言う“中古ピアノ”とは、楽器店や買取専門業者によって元のオーナーより買い取った後、別のユーザーへ再販されるピアノのことを指します。
まず、中古ピアノのメリットについて。
何といっても、新品のピアノと比較して安価、ということです。限られた予算でアコースティックピアノを手に入れることができるのは、魅力ですよね。
当社ショールームでの例を挙げますと・・・ヤマハの最も安価な新品ピアノ=【YM5 税込定価441,000円】に対し、中古(リニューアル)ピアノ=【U1M(1982年式) 税込価格258,000円】と、かなり安価に入手することができます。
次に、中古ピアノのデメリットについて。
まず、製品寿命に対する不安がありますよね。当たり前の事ですが、新品ピアノと比べて年数が経過した分だけ寿命が短くなる、ということです。
ピアノの響板(弦の音をピアノ独特の豊かな音に膨らませる板材)には寿命があり、一般的に流通するヤマハ・カワイのアップライトピアノで40~50年、輸入ピアノで60年以上といわれます。
また、品質に対する不安があると思います。
年数が経過した分だけ、また演奏された分だけ部品単位での消耗や劣化があるため、良く調整されたピアノ、コンディションの良いピアノを見極めて手に入れる必要があります。
では、製品寿命に不安のない、コンディションの良いピアノをどうやって選ぶのか?
新品のピアノであれば、メーカーが希望小売価格を設定しますが、中古ピアノの場合は販売店が価格を設定しますので、店によって基準が大きく異なるのが現状です。
また、再販にあたっての修理や調整を実施するかどうか、実施するとすればどの程度の修理や調整を実施するのかも店のモラルにかかっており、品質基準も店によって異なるのが現状です。
ピアノは専門性の高い楽器であり、ピアノの先生や演奏家であってもピアノのメカニズムやメーカーごとの個性をご存じの方は少なく、根拠のない先入観や偏見を持たれている場合も非常に多いのです。
ですので、中古ピアノの良し悪しを判断するのは、ピアノに精通したプロのアドバイスがないと難しい一面があります。
次回は良い中古ピアノを選ぶポイントについて、ご案内したいと思います。