2010/06/05 09:59:21
ピアノの代用品として、家庭へ急速に普及しているデジタルピアノ。
デジタルピアノのしくみや特徴、そして選ぶ際のポイントについて、アドバイスしたいと思います。
“デジタルピアノ”とは、音源部に電子回路を用いたピアノ型の電子楽器=電子ピアノを指します。
アコースティックピアノ(生ピアノ)と同じ88鍵盤あり、オルガンやキーボードのようにバネで返す鍵盤ではなく、ピアノを模範とした音や弾き心地が得られるよう設計されています。
1980年代よりヤマハ、ローランド等の国内メーカーが製造を開始し、電子技術やコンピューター技術の発達とともに進歩。今や出荷量はアコースティックピアノを凌いでいます。
<ローランドの薄型スタイリッシュモデル/DP990F>
まずは、デジタルピアノのしくみを簡単にご理解いただく必要があります。
アコースティックピアノは、
① 鍵盤を押える
② 鍵盤の動きが内部のしくみ(アクション部)を通ってハンマーに伝わる
<グランドピアノのアクション>
③ ハンマーが弦を打つ
④ 弦の振動が大きな面積の板材(響板)に伝わり、振動を増幅させる
というしくみで発音します。
これに対し、デジタルピアノは、
① 鍵盤を押える
② 鍵盤の動きをセンサーやスイッチが感知し、信号を送る
③ チップに内蔵された音源がアンプで増幅され、スピーカーより発音する
というしくみです。
スピーカーは、一部の上位機種を除いてはLとRのステレオ2チャンネル方式であり、本体の底面に埋め込まれています。
つまり、アコースティックピアノとデジタルピアノでは、発音のしくみが大きく違う訳ですね。
次に、デジタルピアノのメリットについて。
◎ 音量をコントロールできる
ボリュームを無段階に調節することができ、ヘッドフォンを使用すると消音することもできます。
マンションや社宅など、音量を配慮しないといけない住宅環境や、アコースティックピアノの持込が規制されている住環境の場合、また演奏するのが夜間になってしまう場合は有効です。
◎ 比較的安価である
アコースティックピアノのように大量の材木や鋼鉄、または製造に関わる人件費などのコストを削減できるため、比較的安価に手に入れることができます。
◎ メンテナンスが不要
デジタルピアノは温度・湿度差や経年変化の影響をほとんど受けませんので、調律やメンテナンスが必要ありません。
部屋の温度や湿度にさほど気を配らなくていいです。
◎ 軽量・省スペース
アコースティックピアノの場合は、移動の際は基本的に業者委託が必要ですが、デジタルピアノは男性二人で
比較的簡単に移動させることができます。
設置スペースは、アップライトピアノと比較してひと回り少ない面積で済みます。
◎ 電子楽器の特性を活用できる
機種にもよりますが、10音色以上(多い機種は400音色)の音色を内蔵し、さまざまの楽器やシンセサイザーの音色を楽しむことができます。
例えば、チェンバロ曲を“チェンバロ”の音色で演奏したり、パイプオルガンの曲を“パイプオルガン”の音色を使って演奏したり・・・機種によっては、ピアノの音色や響き具合を好みにカスタマイズすることができます。
また、演奏データの記録(録音)や再生がオーディオ感覚で簡単にでき、パソコンやMTRと接続することによって本格的なレコーディングや音の加工が簡単にできます。
◎ 練習に活用できる
メトロノームや録音機能などレッスンの補助機能が内蔵されている機種が多く、自宅練習に活用できます。
また、メーカーから配信されるミュージックデータをダウンロード→再生して、バンドやオーケストラの伴奏で練習したり、課題曲のソングデータを再生して自宅で模範演奏を聴く、といったような活用もできます。
メリットの多いデジタルピアノですが、デメリットもあります。
お話の続きは、次回へ・・・
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