長かった夏も終わり、ようやく沼津にも秋が訪れました。
過ごしやすい気候とこれから冬に向かう刹那的な季節感が、とても好きです。
さて、今回も地元FM局の「エフエムみしま・かんなみ(FMボイス・キュー 77.7MHz)」さんの番組「すまいるトレイン(9:00~13:00)」のコーナー「音楽のある暮らし(11:20~)」9月27日(土)放送分より、お話をさせていただこうと思います。
今回は、“音楽”の起源について。
唐突で漠然とした質問ですが・・・皆さんは、音楽がどうやって生まれてきたと思いますか?
原始時代には既に何らかの音楽が生まれていた、といわれています(一説には、ネアンデルタール人も動物の骨の笛を吹いていたといわれています)が、実は音楽のルーツについて確かなことが分かっていません。
ですので、学者によって音楽の起源(原始時代の音楽)に関するいろんな推測がされており、これが結構面白いです。
● 労働起源説
狩猟民族や農耕民族が、共同作業や合図をするための掛け声がもとになった、とする説。
● 言語起源説
言葉ができて、会話の中で感情とともに自然にイントネーションやアクセントが生まれ、音階のような抑揚になった、とする説。
● 求愛起源説
部族間の争いや自然災害の危険が耐えなかった古代で、種族の減少を補う為に異性を引き付けるためのリズムや歌、踊りがもとになった、とする説。
● リズム起源説
歩くリズムや石器を作ったりするリズムが、踊りを踊る為の伴奏となった、とする説。
などです。
また、楽器についても、弓が基になってハープが生まれた、牛などの家畜の角が笛になったなど、ルーツを探ると面白いです。
そして、古代文明の繁栄とともに、音楽は急速に発展して形式化されていきます。
古代の音楽については、古代文明の遺跡より発掘された彫刻や壁画、粘土板などで多くのことが分かっています。
● 紀元前25世紀頃には、フルートやハープが演奏されていたことが、石像の発掘でわかっている。
● 紀元前20世紀頃のメソポタミア文明では、粘土板を使って譜面の原型とも言うべき記録がされている。
● 紀元前1000年頃から始まった古代ギリシャ文明では、音階や和音などの音楽理論が形作られ、後のキリスト教音楽の基が作られた。
などです。
最後に、私見。
音楽は人類共通であり、どんな時代のどんな文化にも、どんな人種や国にも、必ず存在します。
人の営みを考えても、物心がついた子どもはもちろん、生まれたばかりの赤ん坊であっても音楽に反応する能力と、音楽に対する関心を必ず持っています。
人は不思議にも、音楽に対して遺伝的な何らかの能力を持っていて、ヒトの進化とともに必然的に発生したのではないかと考えます。
ですので、音楽の起源は、すなわちヒトの起源にさかのぼり、音楽の進化は人そのものの進化に必ずリンクしています。
現代音楽の退化が、人そのものの退化の兆候ではないことを祈ります。