日増しに一層寒くなり、体調を崩しやすい季節になりました。
皆様、くれぐれもお体をご自愛いただきたいと思います。
さて、今日は、新品ピアノの価格について。
新品ピアノには、国産ピアノも輸入ピアノも、メーカーや輸入元が定める希望小売価格があります。
正規ディーラーは、メーカーや輸入元との取り決めや企業努力において割引率を設定し、それぞれのお客様へ販売を行います。もちろん、販売価格には正規商品を仕入れ、適正な出荷調整を施し、正しく販売・納品し、アフターサービスを保証する上で必要なコストが含まれる訳です。
ところが、適正な出荷調整や必要なメンテナンスを省略し、または正規外のルートで商品を仕入れ、「低価格」を武器に販売する業者さんも存在するのは事実です。
結論を申し上げますと、正規ディーラーでの信用のおけるブランドで、30%以上の値引きは有り得ません。あったとしても、B級品やチョイキズ品、流通に長年滞留する型落ち品なのかも知れません。
しかし、中国製・インドネシア製のピアノを30%以上(商品によっては半額!)の割引を摘要して販売される場合があり、これは相当注意して吟味していただいた方が良いかと思います。
ハンマーや弦がヨーロッパ製の部品を使用していたり、もともとのブランド名がヨーロッパに由来していることを取り上げ、セールスマンがその部分だけを強調し、中国製・東南アジア製のピアノをあたかもヨーロッパ製であるかのような錯覚を起こさせる。
お客さんは何の疑いも無く、ヨーロッパのイメージと値引の魅力に負け、契約してしまう・・・
所在のはっきりしないブランドや、中国製・東南アジア製の品質や耐久性のおぼつかないピアノの、セールスマニュアル。古き悪しき、業界の慣例なんです。
ピアノは最も構造の複雑な楽器であり、専門性が高いが為に、びっくりするような事が提供者側で平然と行われている場合があります。これは、高度経済成長期からバブル期にかけて、既に倒産した一部の量販チェーン店で展開されていたセールスの一例であり、現在でも同じ方法で販売されているケースがあるようです。
もちろん、値引率が多いのは、魅力ですよね。でも・・・ちょっと待ってください。
もともとの定価が、根拠のない高値で設定されていたとすれば、どう考えますか?
もう少し具体的に言いますと・・・
中国や東南アジアで10万円台の価格で製造されたピアノに高額な定価を設定し、販売ではロープライスを前面に打ち出すために大幅な割引をし、販売されるピアノがあったとします。
中国や東南アジアで製造されるピアノでも、ヤマハやカワイ、またはスタインウェイやベヒシュタインなど海外有力メーカーが監修するピアノであれば、品質や耐久性を保証するに価するブランドもあります。
でも、それ以外のブランドで上記のようなピアノがあったとすれば、相当慎重になってお選びいただく必要があると思います。
本日、理解に苦しむお問い合わせを数件いただきましたので、遭えて書かせていただきました。最後までお読みいただき、有難うございます。
地域の皆様が、良いピアノに出逢われることを願って・・・。