輸入ピアノに関するお話をしたいと思います。
国内で輸入販売されるピアノは、【欧米メーカー】のピアノと【中国・韓国・東南アジアメーカー】のピアノに大別されますが、【中国・韓国・東南アジアメーカー】のピアノに関しては、「輸入ピアノ選びのコツ①」をご参照いただければと思います。
「輸入ピアノ選びのコツ①」
↓ ↓ ↓
http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/29/
今回は、【欧米メーカー】のピアノについてのお話をします。
まず、国内で流通する主な欧米メーカーは、次の通りです。
・スタインウェイ&サンズ(アメリカ)
・ベヒシュタイン(ドイツ)
・ベーゼンドルファー(オーストリア)
・プレイエル(フランス)
・ザウター(ドイツ)
・ペトロフ(チェコ)
・ファツィオリ(イタリア)
他にもありますが、
●正規の流通ルートが整備されておらず安定供給が困難なメーカー
●過去に実在したヨーロッパのブランド名を使用するも実際はアジア(中国、インドネシアなど)で製造するメーカー(これが、お客様にとっては非常にまぎらわしい!!)
は、本当の意味での「輸入ピアノ」とは言い難い面がありますので、ご紹介いたしません。
また、アメリカで製造されるメーカーのピアノは、価格や品質において競争力が乏しいメーカーが多く、スタインウェイ&サンズも日本向けに輸出するピアノはハンブルグ(ドイツ)工場製であることから、これも殆ど日本では流通していません。
ですので、本当の意味での“輸入ピアノ”とは、現在はヨーロッパで設計・製造されたピアノを指すべき、と思っています。
では次に、ヨーロッパのピアノメーカーに共通する主な特徴を紹介します。
① 長い歴史を持つ
現存するヨーロッパのメーカーのほとんどが19世紀半ばより創業しており、ロマン派以降の名だたるピアニストの要望に応えてきた音とタッチを、可能な限り忠実に現代に伝えています。
② 高い演奏性能
≪歴史に裏付けられたノウハウと設計≫+≪熟練工による伝統工法≫+≪厳選された素材≫によって、音色変化や演奏表現の幅が広いのが特徴です。
ただ、どのメーカーも突出した個性を持っていますので、なるべく多くのブランドを見て、弾いて、相性の良いピアノを選ぶ必要があります。
③ 職人によるハンドクラフト
熟練工による伝統工法を守っており、日本や中国・韓国のメーカーのようにライン生産ではありません。
ですので、レギュラーモデルであっても一台一台が個性的であり、魅力のひとつとなっています。
④ 耐久性の高さ
寿命が長く、1世紀以上が経過したピアノが現役で使用されるケースも少なくありません。
特定の国内メーカーのみを販売される楽器店さんが「輸入ピアノは日本の気候風土に合わないから、維持が大変ですよ」といったような反対広告をされるケースがありますが、事実無根です。
詳しくは、過去の記事(こちら→ http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/10/ )をご参照下さい。
⑤ デザイン性の高さ
日本では、ピアノは教育的側面が強く“義務教育期の教材”みたいなイメージが強いですが、ヨーロッパでは、ピアノは音楽文化と歴史に深く関わってきた“文化的財産”なんです。
ですので、家具と同じくデザインへの考慮がなされており、オシャレなデザインのピアノが多いのです。
職人がハンドメイドし、高級な材料が使用されていますので、決して安くはありません。
しかし、国産メーカーの上位機種をご検討の場合同等のご予算で手に入る輸入ピアノもあります。
余談ですが、国産メーカーの上位機種を検討され、当社(ピアノショップ沼津)のショールームにお越しいただいたお客様は、ほとんどの方が輸入ピアノをご選択いただいている事実があります。
と、やや輸入ピアノびいきな記事になってしまいましたが・・・
輸入ピアノに興味をお持ちの方に、ご参考いただけましたら幸いです。