2010/07/18 18:11:17
沼津も昨日で梅雨明けし、今日は突き抜けるような青空です
沼津には多くの海水浴場がありますが、どこも人で賑わっているんだと思います
さて、今日は前回の続きよりお話しします。
ピアノ選びのタブーについて。
これは、なるべく避けて欲しいです
● ブランドイメージで選ぶ
国内の人件費や材料費の高騰から、現在では国産有名メーカーであっても海外生産を余儀なくされており、有名メーカーのカタログやウェブサイトに掲載されているピアノであっても、予算と性能がつりあわないピアノが多いのが現状です。
馴染みのあるメーカーであるからといって、一概に良いピアノとは限りませんので、根拠の無いブランドイメージでピアノを選ぶのはタブーです。
● 先生や調律師のアドバイスを過信する
日本のピアノ産業は、音楽教室の先生や調律師さんによる斡旋によって成長したといっても過言ではないほど、メーカー主導のもと先生や調律師によって拡大してきた業界で、現在も然りです。
メーカーの音楽教室に所属される先生や調律師さんは、自社ブランドには精通しておられても、自社ブランドを斡旋しなければならない立場上、他メーカーや他店との公平な比較やアドバイスは、無理な相談です。
第一、たまたま入会した音楽教室を運営するメーカーのピアノを、先生や調律師さんが判を押したように斡旋する業界のシステムには、断固反対
ピアノは教材ではなく楽器であり、楽器は演奏者の分身であり、オーナーが嗜好をもって決め、愛奏する文化財産です。
演奏する人に個性があるように、ピアノにもそれぞれの個性があります。
それぞれの相性をプロの目線で公平に、適切に判断し、アドバイスを加えることが楽器提供者の責務であり、売り手優先の業界のしくみによって顧客満足が削がれている現状に問題がある、と言いたいです。
● 実際に見ずに弾かずに購入する
ピアノは、外観や響き、弾き心地を確認してから購入するのが原則です。
カタログやウェブサイトでは、提供者による、そのピアノのPRポイントしか記載されていませんし、音色やタッチを確認するのは不可能です。
● ウェブサイトで購入する
ピアノという知的財産をウェブサイトで購入するのは、家屋や中古車をウェブサイトで購入する感覚に等しいです。
価格比較だけで購入してしまうと、必ず後悔してしまうのがピアノ。
調整不十分であったり(新品のピアノでも、出荷の際に然るべき調整が必要です)、アフターサービスやメンテナンスが相応に受けられなかったり、もともと正しく流通している商品ではなかったり・・・
他地方の業者さんは、表面上はアフターサービスを保証されていても、実際問題、満足なアフターサービスを実施するのは不可能です。
結局は、人脈のある調律師さんへその後のアフターサービスを“丸投げ”されて、あとは個人経営同然の調律師さん任せ・・・というのが現状。
● オークションや新聞紙面の「売ります・譲ります」のピアノ
ネットオークションに出品されるピアノには、店頭の売れ残りや長期在庫品、B級品が見受けられます。
値引きには、必ず相応の理由があるものです。ご面倒でも、ピアノの状態を実際に確認した上での入札をお薦めします。
また、個人売買の場合も、然るべき調整がなされまいままの「現状渡し」で譲り受ける場合がほとんどであり、その後の修理コストを考えると・・・となります。
とまあ、いろいろ書かせていただきました。
これからピアノの購入をご検討される皆さまに、少しでもご参考いただければ幸いです
見苦しい文面、最後までお読みいただき有難うございました

沼津には多くの海水浴場がありますが、どこも人で賑わっているんだと思います

さて、今日は前回の続きよりお話しします。
ピアノ選びのタブーについて。
これは、なるべく避けて欲しいです

● ブランドイメージで選ぶ
国内の人件費や材料費の高騰から、現在では国産有名メーカーであっても海外生産を余儀なくされており、有名メーカーのカタログやウェブサイトに掲載されているピアノであっても、予算と性能がつりあわないピアノが多いのが現状です。
馴染みのあるメーカーであるからといって、一概に良いピアノとは限りませんので、根拠の無いブランドイメージでピアノを選ぶのはタブーです。
● 先生や調律師のアドバイスを過信する
日本のピアノ産業は、音楽教室の先生や調律師さんによる斡旋によって成長したといっても過言ではないほど、メーカー主導のもと先生や調律師によって拡大してきた業界で、現在も然りです。
メーカーの音楽教室に所属される先生や調律師さんは、自社ブランドには精通しておられても、自社ブランドを斡旋しなければならない立場上、他メーカーや他店との公平な比較やアドバイスは、無理な相談です。
第一、たまたま入会した音楽教室を運営するメーカーのピアノを、先生や調律師さんが判を押したように斡旋する業界のシステムには、断固反対

ピアノは教材ではなく楽器であり、楽器は演奏者の分身であり、オーナーが嗜好をもって決め、愛奏する文化財産です。
演奏する人に個性があるように、ピアノにもそれぞれの個性があります。
それぞれの相性をプロの目線で公平に、適切に判断し、アドバイスを加えることが楽器提供者の責務であり、売り手優先の業界のしくみによって顧客満足が削がれている現状に問題がある、と言いたいです。
● 実際に見ずに弾かずに購入する
ピアノは、外観や響き、弾き心地を確認してから購入するのが原則です。
カタログやウェブサイトでは、提供者による、そのピアノのPRポイントしか記載されていませんし、音色やタッチを確認するのは不可能です。
● ウェブサイトで購入する
ピアノという知的財産をウェブサイトで購入するのは、家屋や中古車をウェブサイトで購入する感覚に等しいです。
価格比較だけで購入してしまうと、必ず後悔してしまうのがピアノ。
調整不十分であったり(新品のピアノでも、出荷の際に然るべき調整が必要です)、アフターサービスやメンテナンスが相応に受けられなかったり、もともと正しく流通している商品ではなかったり・・・
他地方の業者さんは、表面上はアフターサービスを保証されていても、実際問題、満足なアフターサービスを実施するのは不可能です。
結局は、人脈のある調律師さんへその後のアフターサービスを“丸投げ”されて、あとは個人経営同然の調律師さん任せ・・・というのが現状。
● オークションや新聞紙面の「売ります・譲ります」のピアノ
ネットオークションに出品されるピアノには、店頭の売れ残りや長期在庫品、B級品が見受けられます。
値引きには、必ず相応の理由があるものです。ご面倒でも、ピアノの状態を実際に確認した上での入札をお薦めします。
また、個人売買の場合も、然るべき調整がなされまいままの「現状渡し」で譲り受ける場合がほとんどであり、その後の修理コストを考えると・・・となります。
とまあ、いろいろ書かせていただきました。
これからピアノの購入をご検討される皆さまに、少しでもご参考いただければ幸いです

見苦しい文面、最後までお読みいただき有難うございました

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2010/07/14 19:06:56
7月も半ばですね
沼津もまだまだ梅雨の真っ最中で、ジメジメした毎日が続いております
今日は、良いピアノを選ぶ為のポイントについて、お話をしたいと思います
まずは、“良いピアノ”の条件について、考えてみます。
① 楽器としての性能が高い
何をさておき、ピアノは楽器です。
サウンド(音質)や弾き心地(タッチ)において、納得ができるピアノを選ばなければなりません。
ただし、良いと思う音質やタッチは人によって異なりますので、判断するには出来るだけ多くのピアノを弾いて音を聴き、比較検討してみると良いと思います。
② 演奏者との相性が良い
どんな楽器でも、演奏者との間に相性があります。
ピアノも例外ではなく、お子様であっても相性があるのです。
むしろ、お子様の方が大人よりも音に対する感覚が鋭く、ウチのショールームにご来店いただいたお客様でも、2台以上弾いていただくと、どちらの音の方が良いかはお子様の方が判断できる場合が多いです。
ただし、初級のお子様の場合、タッチの軽い鍵盤を選びがちですので、楽器店の店員さんなどとご相談いただき、将来の成長も考えながら選ぶと良いと思います。
③ 財産としての愛着を持てる
ブランドやデザインなど、家族で愛着を持てるピアノ、ということです。
演奏する本人だけでなく、家族で愛着を持って付き合っていけるピアノかどうかで、ピアノを所有する満足感も断然違ってきます。
そのモデルの特徴、メーカーのポリシーや歴史など、いろいろ調べてみますと更に愛着は増すものです。
では次に、ピアノ選びの手順について、アドバイスしたいと思います。
① 情報収集
まずは、情報収集です。
ウェブサイトや楽器店の店頭などで、情報を取ってみましょう。
ウェブサイトは、メーカーや楽器店のウェブサイトで、現在流通しているピアノを調べてみてください。
ただし、私設サイトの情報や掲示板の書き込みは、投稿者が意図した、故意に偏った情報が多いですので、あまり信用しないほうが良いかも知れません。
また、楽器店の店頭でカタログを集めたり、店員さんから情報を聞いてみてください。
教室の先生や調律師さんから情報を取られる場合、それぞれ取引関係のあるメーカーに偏ってピアノをお薦めになられますので、そういう前提でお聞きになってください。
② 商品を見る
次は、商品選びとお店選びです。
ピアノは専門性の高い楽器であり、ピアノの先生や演奏家であっても公平な判断が難しい楽器です。
良いピアノを選ぶ為には、まずは公平で専門的な目線で適切なアドバイスをしてくれる販売窓口が不可欠です。
また、ピアノは購入してからのお付き合いが非常に長いため、メンテナンス(調律)や保証の内容が充実しているかどうかも重要です。
ピアノは、調律の技術レベルによって、寿命やコンディションが上がることもあれば、下がってしまうこともあります。
そのピアノに合わない調律が繰り返されてしまい、もとの個性を完全に変えられてしまっているピアノも多く見受けられます。
ですので、“ピアノを選ぶ”と同時に“店を選ぶ”意識を持つことも必要です。
楽器店に足を運ばれる際は、一店舗だけで簡単に決めてしまわずに、必ず複数の楽器店に足を運び、少しでも多くのメーカー、機種を実際に見て、弾いてみてください。
比べてみれば、音やタッチ、デザインの好みは自ずと判断できるものです。
弾けない方でも、店のスタッフにデモンストレーションをお願いすれば、ピアノの音色は耳で確認できます。
ただし、楽器店さんが特定メーカーの特約店さん、直営店さんの場合、自社ブランドの商品を斡旋し(当たり前ですが)それ以外のメーカーや販売店の偏った反対広告をされるケースもありますので(同業者として、何とも嘆かわしいです
)、そういう前提で足を運んでみてください。
③ 機種と予算を決める
購入する機種を決めて、いよいよ販売窓口に条件交渉です。
ご自宅への納入のための運賃も楽器店によってさまざまですので、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。
前述の通り、購入後のアフターサービスや調律についても(保障期間や調律料金、内容など)必ず確認しておいてください。
下取り品をお持ちの場合(お持ちのピアノから買い換える場合)、査定基準も楽器店によってさまざまですので確認が必要です。
次回は、ピアノ選びのタブーについて、お話しします。

沼津もまだまだ梅雨の真っ最中で、ジメジメした毎日が続いております

今日は、良いピアノを選ぶ為のポイントについて、お話をしたいと思います

まずは、“良いピアノ”の条件について、考えてみます。
① 楽器としての性能が高い
何をさておき、ピアノは楽器です。
サウンド(音質)や弾き心地(タッチ)において、納得ができるピアノを選ばなければなりません。
ただし、良いと思う音質やタッチは人によって異なりますので、判断するには出来るだけ多くのピアノを弾いて音を聴き、比較検討してみると良いと思います。
② 演奏者との相性が良い
どんな楽器でも、演奏者との間に相性があります。
ピアノも例外ではなく、お子様であっても相性があるのです。
むしろ、お子様の方が大人よりも音に対する感覚が鋭く、ウチのショールームにご来店いただいたお客様でも、2台以上弾いていただくと、どちらの音の方が良いかはお子様の方が判断できる場合が多いです。
ただし、初級のお子様の場合、タッチの軽い鍵盤を選びがちですので、楽器店の店員さんなどとご相談いただき、将来の成長も考えながら選ぶと良いと思います。
③ 財産としての愛着を持てる
ブランドやデザインなど、家族で愛着を持てるピアノ、ということです。
演奏する本人だけでなく、家族で愛着を持って付き合っていけるピアノかどうかで、ピアノを所有する満足感も断然違ってきます。
そのモデルの特徴、メーカーのポリシーや歴史など、いろいろ調べてみますと更に愛着は増すものです。
では次に、ピアノ選びの手順について、アドバイスしたいと思います。
① 情報収集
まずは、情報収集です。
ウェブサイトや楽器店の店頭などで、情報を取ってみましょう。
ウェブサイトは、メーカーや楽器店のウェブサイトで、現在流通しているピアノを調べてみてください。
ただし、私設サイトの情報や掲示板の書き込みは、投稿者が意図した、故意に偏った情報が多いですので、あまり信用しないほうが良いかも知れません。
また、楽器店の店頭でカタログを集めたり、店員さんから情報を聞いてみてください。
教室の先生や調律師さんから情報を取られる場合、それぞれ取引関係のあるメーカーに偏ってピアノをお薦めになられますので、そういう前提でお聞きになってください。
② 商品を見る
次は、商品選びとお店選びです。
ピアノは専門性の高い楽器であり、ピアノの先生や演奏家であっても公平な判断が難しい楽器です。
良いピアノを選ぶ為には、まずは公平で専門的な目線で適切なアドバイスをしてくれる販売窓口が不可欠です。
また、ピアノは購入してからのお付き合いが非常に長いため、メンテナンス(調律)や保証の内容が充実しているかどうかも重要です。
ピアノは、調律の技術レベルによって、寿命やコンディションが上がることもあれば、下がってしまうこともあります。
そのピアノに合わない調律が繰り返されてしまい、もとの個性を完全に変えられてしまっているピアノも多く見受けられます。
ですので、“ピアノを選ぶ”と同時に“店を選ぶ”意識を持つことも必要です。
楽器店に足を運ばれる際は、一店舗だけで簡単に決めてしまわずに、必ず複数の楽器店に足を運び、少しでも多くのメーカー、機種を実際に見て、弾いてみてください。
比べてみれば、音やタッチ、デザインの好みは自ずと判断できるものです。
弾けない方でも、店のスタッフにデモンストレーションをお願いすれば、ピアノの音色は耳で確認できます。
ただし、楽器店さんが特定メーカーの特約店さん、直営店さんの場合、自社ブランドの商品を斡旋し(当たり前ですが)それ以外のメーカーや販売店の偏った反対広告をされるケースもありますので(同業者として、何とも嘆かわしいです

③ 機種と予算を決める
購入する機種を決めて、いよいよ販売窓口に条件交渉です。
ご自宅への納入のための運賃も楽器店によってさまざまですので、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。
前述の通り、購入後のアフターサービスや調律についても(保障期間や調律料金、内容など)必ず確認しておいてください。
下取り品をお持ちの場合(お持ちのピアノから買い換える場合)、査定基準も楽器店によってさまざまですので確認が必要です。
次回は、ピアノ選びのタブーについて、お話しします。
2010/06/26 19:33:14
梅雨ですね・・・
ジメジメして、うっとうしい毎日が続きます。
湿度が上がり過ごしにくい季節・・・実は、ピアノにとって良くない季節なのです
以前こちらのブログ記事でもご紹介しましたが、ピアノの故障原因の多くは湿気によるものであり、湿気はピアノの大敵なのです

ピアノの部品の多くに、木材が採用されています。
木材は、湿気が多くなると膨張し、乾燥すると収縮する性質を持っています。
ピアノの内部部品には、木材部品が精巧にかみ合わさっている箇所が多いですので、湿気によるほんの少しの寸法変化で、動作不良を起こしてしまう箇所がいくつもあります。
湿度が高い状態が続きますと、鍵盤が下がったまま戻らない、鍵盤を押しても音が出ないなど、鍵盤やアクション(鍵盤の動きを弦に伝えるしくみ)の動作不良を引き起こしてしまいます
また、湿度が高い状態が続くと、ハンマー(弦を叩く部品)などフェルト材が痛んでしまったり、ピアノのハコそのものの音響が悪くなったりしますので、響きがこもってしまったり、あるいはキンキンに硬くなったりしますし、響きそのものがヌケの良くない音になり、タッチのキレが悪くなってしまいます
とにかく、湿度が80%を超えた場合は、要注意
エアコンや除湿機などで、雰囲気の湿度を下げる工夫をしていただくと良いです
また、湿度が適当(40%~70%)な晴天の日には、窓とピアノの上面のフタ、鍵盤のフタを開けて、ピアノ内部の空気の入れ替えをしてみると良いです
ただこれは、しょっちゅう開けたままですとホコリが入り込んでしまいますので、せいぜい月に数回、数時間程度で結構です
もちろん、雨の日はなるべく窓を開けないようにした方が良いです
あと、夏場のエアコンのご使用ですが、急激に室温を下げるとピアノの内面で結露が発生し(冬場の暖房で窓ガラスに水滴が発生するのと同じです)、これも良くありません
ですので、ピアノの部屋でエアコンを使用する際は、徐々に、段階的に設定温度を下げるようにクセをつけていただくと良いと思います
日常の心がけで、ピアノの寿命やコンディションは大きく変わってしまうものです。
湿気の多い時期・・・ピアノのこと、ちょっと気にしてみて下さい

ジメジメして、うっとうしい毎日が続きます。
湿度が上がり過ごしにくい季節・・・実は、ピアノにとって良くない季節なのです

以前こちらのブログ記事でもご紹介しましたが、ピアノの故障原因の多くは湿気によるものであり、湿気はピアノの大敵なのです


ピアノの部品の多くに、木材が採用されています。
木材は、湿気が多くなると膨張し、乾燥すると収縮する性質を持っています。
ピアノの内部部品には、木材部品が精巧にかみ合わさっている箇所が多いですので、湿気によるほんの少しの寸法変化で、動作不良を起こしてしまう箇所がいくつもあります。
湿度が高い状態が続きますと、鍵盤が下がったまま戻らない、鍵盤を押しても音が出ないなど、鍵盤やアクション(鍵盤の動きを弦に伝えるしくみ)の動作不良を引き起こしてしまいます

また、湿度が高い状態が続くと、ハンマー(弦を叩く部品)などフェルト材が痛んでしまったり、ピアノのハコそのものの音響が悪くなったりしますので、響きがこもってしまったり、あるいはキンキンに硬くなったりしますし、響きそのものがヌケの良くない音になり、タッチのキレが悪くなってしまいます

とにかく、湿度が80%を超えた場合は、要注意

エアコンや除湿機などで、雰囲気の湿度を下げる工夫をしていただくと良いです

また、湿度が適当(40%~70%)な晴天の日には、窓とピアノの上面のフタ、鍵盤のフタを開けて、ピアノ内部の空気の入れ替えをしてみると良いです

ただこれは、しょっちゅう開けたままですとホコリが入り込んでしまいますので、せいぜい月に数回、数時間程度で結構です

もちろん、雨の日はなるべく窓を開けないようにした方が良いです

あと、夏場のエアコンのご使用ですが、急激に室温を下げるとピアノの内面で結露が発生し(冬場の暖房で窓ガラスに水滴が発生するのと同じです)、これも良くありません

ですので、ピアノの部屋でエアコンを使用する際は、徐々に、段階的に設定温度を下げるようにクセをつけていただくと良いと思います

日常の心がけで、ピアノの寿命やコンディションは大きく変わってしまうものです。
湿気の多い時期・・・ピアノのこと、ちょっと気にしてみて下さい

2010/06/19 18:26:44
前回の続きです

デジタルピアノを選ぶ際のポイントについて、お話します。
メーカーや価格が違うだけで、どれでも同じじゃないの??と思っておられる方

特に、お読みいただきたいです。
① 情報収集
まずは、メーカーのウェブサイト(ヤマハ、カワイ、ローランド、コルグ、カシオ)や楽器店の店頭、製品カタログなどで、確かな情報を出来るだけ集めましょう。
ただし、Webの掲示板サイトや、根拠の無いブランドイメージなどの不確かな情報にとらわれ過ぎないように、ご注意を

★ ローランド・デジタルピアノのサイトはこちら
★ ヤマハ・デジタルピアノのサイトはこちら
★ カワイ・デジタルピアノのサイトはこちら
熱心さが余って、ウェブやカタログの情報を取りすぎて混乱された場合


ただし、楽器店が特定メーカーの特約店の場合は、偏ったメーカーの製品を薦めます。
複数の楽器店、または複数のメーカーを取り扱う楽器店に足を運び、公平で正確な情報を取るようにしたいです。
ちなみに、音楽教室の先生は、ご指導や演奏についての見識は豊富にお持ちでも、楽器に関する知識はお持ちで無い場合が多いです。
鍵盤楽器は専門性の高い楽器であり、演奏者・指導者と、サービスマン(調律師)と、流通がそれぞれ役割分担をしている訳です

② 性能や価格を比較検討
複数のメーカーや機種を、実際に店頭で見比べて、弾き比べでみましょう。
量販店では、店内が賑やかですのでメーカーや機種による音の微妙な違いを聞き分けるのは難しいかも知れません

楽器店など試弾できる環境で比べるのが望ましいです。
弾けない場合は、店のスタッフにお願いして演奏してもらうと良いと思います。
③ 予算・機種を決める
だいたいの予算を決めて、購入希望の機種を絞っていきます。
デジタルピアノは、毎年機種が変わるわけではなく、設計されてから2年~3年は販売されます。
つまり、現行のカタログに載っている製品でも、古いものだと3年前の設計ということになります

音質やタッチ、コンパクトさ、軽量さ、多機能・・・
家電製品と同じく、同じ予算でも設計年度の新しい機種ほど、性能や機能の面でメリットが多いですので、店のスタッフに確認し、設計年度の新しい製品を選んだほうが良いでしょう。
量販店モデルの場合、習い始めの小さな子どもには良いかも知れませんが、アコースティックピアノとの音やタッチのギャップが激しいものが多く、結局は数年で買換えとなる事例も・・・
ウチのショールームには、そのようなお客さんが結構いらっしゃいます。
④ 購入
購入窓口を決めます。
Web業者さんの場合、メーカー正規特約店ではない業者さんが多く出品されていますので、価格比較だけで決めてしまうと満足なアフターサービスやサポートが受けられない可能性があったり、荷ズレ品・長期在庫品が混入している場合があるようですので、注意が必要です

無店舗営業のWeb業者さんや他地方業者さんの催事も・・・・



皆さまが、良い楽器にめぐり合われますように・・・

2010/06/16 19:06:41
沼津でも、遅ればせながら今週より梅雨に突入・・・
今日の沼津は、ムシムシしております
今日は、6/5の記事の続きです。
多くのメリットを持つデジタルピアノですが、デメリットもあります。
◎ 音質が生ピアノと異なる
口径10数cmのスピーカーの振動板(コーン)による二次元的・平面的な音響であり、大きな面積の響板や広い容積のボディ全体の振動を音源とするアコースティックピアノの三次元的・立体的な音響とは、音の広がりや響きに根本的な違いがあります。
スピーカーを多数配置し、立体的な音響が得られるデジタルピアノもありますが、相応のコストが必要です。
◎ 演奏表現力が劣る
これも、アコースティックピアノと比較すると・・・という事になりますが、アコースティックピアノが弾き方で音色や音質を無限に変化させることができるのに対し、デジタルピアノは鍵盤の沈む速さや押す強さによって音色や音量が一定に設定されている為、変化をつけることが難しいです。
アコースティックピアノは、練習をすればするほど良いサウンドが得られるようになりますが、デジタルピアノはいくら弾いても同じ音質のまま、ということになります。
◎ タッチが異なる
これもまた、アコースティックピアノとの対比になります。
アコースティックピアノとは違い構造が極端に簡素化されていますので、全体的にベタッとした軽いタッチになってしまいます。
鍵盤の重さの感覚を段階的に変更させることもできますが、15万円くらいまでの汎用グレードでは鍵盤の材料にプラスティックの成形品を使用しており、全体的にはタッチは軽めです。
メーカーの研究開発の成果によって、中級グレード以上の機種(20万円前後)は鍵盤に特殊素材を使用したり、木製鍵盤を採用しています。
鍵盤に触れた時の感触はリアルですが、鍵盤が元の位置に復帰するスピードがどうしても遅くなり、連打性に乏しいため、速いフレーズが弾きにくいというのがあります。
実際にアコースティックピアノに使用している鍵盤や内部構造(アクション)をそのまま採用し、リアルなタッチが得られる機種もありますが、かなり高額です(ヤマハ・DGPシリーズ:50万円以上)。
◎ 寿命が比較的短い
電子部品やアンプ、スピーカーなどの帯電寿命があり、商品のグレードに関わらず電化製品と同等の寿命です。
デジタルピアノのメリット・デメリットをまとめますと・・・
★ 楽器としての性能は、過去と比較してもかなり精巧になったものの、上位クラスの機種であってもアコースティックピアノと比較すると、まだまだ劣るのが事実。
★ 演奏するのが音楽教室に通う方の場合、設置場所を確保していただいたうえで、アコースティックピアノで練習するのが上達と継続の近道。
とあるピアノ技術者が、アコースティックピアノ=生け花、デジタルピアノ=造花、ほどの違いがあり、造花は加工は簡単であるが生け花のようなワビサビや生々しさが無い、と表現された方がいらっしゃいましたが、これは言い得て妙です。
音楽教室や発表会、コンクールなどでグランドピアノを演奏したとき、普段“造花”ばかりを扱っている人が生け花を扱うのと同じで、どうしても乱暴になってしまいます。
しかし、
★ 場所を選ばず気軽に演奏できる点や、求めやすさ、電子楽器ならではのマルチな楽しみ方が出来るのは良いと思います。
音量や設置スペースの問題で、アコースティックピアノは置けない場合でも、デジタルピアノなら設置できる住宅環境もあります。
こういった場所で演奏に取り組める点は、非常に楽器としての存在意義があるように思います。
次回は、デジタルピアノを選ぶ際のポイントについて、お話ししたいと思います
今日の沼津は、ムシムシしております

今日は、6/5の記事の続きです。
多くのメリットを持つデジタルピアノですが、デメリットもあります。
◎ 音質が生ピアノと異なる
口径10数cmのスピーカーの振動板(コーン)による二次元的・平面的な音響であり、大きな面積の響板や広い容積のボディ全体の振動を音源とするアコースティックピアノの三次元的・立体的な音響とは、音の広がりや響きに根本的な違いがあります。
スピーカーを多数配置し、立体的な音響が得られるデジタルピアノもありますが、相応のコストが必要です。
◎ 演奏表現力が劣る
これも、アコースティックピアノと比較すると・・・という事になりますが、アコースティックピアノが弾き方で音色や音質を無限に変化させることができるのに対し、デジタルピアノは鍵盤の沈む速さや押す強さによって音色や音量が一定に設定されている為、変化をつけることが難しいです。
アコースティックピアノは、練習をすればするほど良いサウンドが得られるようになりますが、デジタルピアノはいくら弾いても同じ音質のまま、ということになります。
◎ タッチが異なる
これもまた、アコースティックピアノとの対比になります。
アコースティックピアノとは違い構造が極端に簡素化されていますので、全体的にベタッとした軽いタッチになってしまいます。
鍵盤の重さの感覚を段階的に変更させることもできますが、15万円くらいまでの汎用グレードでは鍵盤の材料にプラスティックの成形品を使用しており、全体的にはタッチは軽めです。
メーカーの研究開発の成果によって、中級グレード以上の機種(20万円前後)は鍵盤に特殊素材を使用したり、木製鍵盤を採用しています。
鍵盤に触れた時の感触はリアルですが、鍵盤が元の位置に復帰するスピードがどうしても遅くなり、連打性に乏しいため、速いフレーズが弾きにくいというのがあります。
実際にアコースティックピアノに使用している鍵盤や内部構造(アクション)をそのまま採用し、リアルなタッチが得られる機種もありますが、かなり高額です(ヤマハ・DGPシリーズ:50万円以上)。
◎ 寿命が比較的短い
電子部品やアンプ、スピーカーなどの帯電寿命があり、商品のグレードに関わらず電化製品と同等の寿命です。
デジタルピアノのメリット・デメリットをまとめますと・・・
★ 楽器としての性能は、過去と比較してもかなり精巧になったものの、上位クラスの機種であってもアコースティックピアノと比較すると、まだまだ劣るのが事実。
★ 演奏するのが音楽教室に通う方の場合、設置場所を確保していただいたうえで、アコースティックピアノで練習するのが上達と継続の近道。
とあるピアノ技術者が、アコースティックピアノ=生け花、デジタルピアノ=造花、ほどの違いがあり、造花は加工は簡単であるが生け花のようなワビサビや生々しさが無い、と表現された方がいらっしゃいましたが、これは言い得て妙です。
音楽教室や発表会、コンクールなどでグランドピアノを演奏したとき、普段“造花”ばかりを扱っている人が生け花を扱うのと同じで、どうしても乱暴になってしまいます。
しかし、
★ 場所を選ばず気軽に演奏できる点や、求めやすさ、電子楽器ならではのマルチな楽しみ方が出来るのは良いと思います。
音量や設置スペースの問題で、アコースティックピアノは置けない場合でも、デジタルピアノなら設置できる住宅環境もあります。
こういった場所で演奏に取り組める点は、非常に楽器としての存在意義があるように思います。
次回は、デジタルピアノを選ぶ際のポイントについて、お話ししたいと思います

2010/06/05 09:59:21
ピアノの代用品として、家庭へ急速に普及しているデジタルピアノ。
デジタルピアノのしくみや特徴、そして選ぶ際のポイントについて、アドバイスしたいと思います。
“デジタルピアノ”とは、音源部に電子回路を用いたピアノ型の電子楽器=電子ピアノを指します。
アコースティックピアノ(生ピアノ)と同じ88鍵盤あり、オルガンやキーボードのようにバネで返す鍵盤ではなく、ピアノを模範とした音や弾き心地が得られるよう設計されています。
1980年代よりヤマハ、ローランド等の国内メーカーが製造を開始し、電子技術やコンピューター技術の発達とともに進歩。今や出荷量はアコースティックピアノを凌いでいます。
<ローランドの薄型スタイリッシュモデル/DP990F>
まずは、デジタルピアノのしくみを簡単にご理解いただく必要があります。
アコースティックピアノは、
① 鍵盤を押える
② 鍵盤の動きが内部のしくみ(アクション部)を通ってハンマーに伝わる
<グランドピアノのアクション>
③ ハンマーが弦を打つ
④ 弦の振動が大きな面積の板材(響板)に伝わり、振動を増幅させる
というしくみで発音します。
これに対し、デジタルピアノは、
① 鍵盤を押える
② 鍵盤の動きをセンサーやスイッチが感知し、信号を送る
③ チップに内蔵された音源がアンプで増幅され、スピーカーより発音する
というしくみです。
スピーカーは、一部の上位機種を除いてはLとRのステレオ2チャンネル方式であり、本体の底面に埋め込まれています。
つまり、アコースティックピアノとデジタルピアノでは、発音のしくみが大きく違う訳ですね。
次に、デジタルピアノのメリットについて。
◎ 音量をコントロールできる
ボリュームを無段階に調節することができ、ヘッドフォンを使用すると消音することもできます。
マンションや社宅など、音量を配慮しないといけない住宅環境や、アコースティックピアノの持込が規制されている住環境の場合、また演奏するのが夜間になってしまう場合は有効です。
◎ 比較的安価である
アコースティックピアノのように大量の材木や鋼鉄、または製造に関わる人件費などのコストを削減できるため、比較的安価に手に入れることができます。
◎ メンテナンスが不要
デジタルピアノは温度・湿度差や経年変化の影響をほとんど受けませんので、調律やメンテナンスが必要ありません。
部屋の温度や湿度にさほど気を配らなくていいです。
◎ 軽量・省スペース
アコースティックピアノの場合は、移動の際は基本的に業者委託が必要ですが、デジタルピアノは男性二人で
比較的簡単に移動させることができます。
設置スペースは、アップライトピアノと比較してひと回り少ない面積で済みます。
◎ 電子楽器の特性を活用できる
機種にもよりますが、10音色以上(多い機種は400音色)の音色を内蔵し、さまざまの楽器やシンセサイザーの音色を楽しむことができます。
例えば、チェンバロ曲を“チェンバロ”の音色で演奏したり、パイプオルガンの曲を“パイプオルガン”の音色を使って演奏したり・・・機種によっては、ピアノの音色や響き具合を好みにカスタマイズすることができます。
また、演奏データの記録(録音)や再生がオーディオ感覚で簡単にでき、パソコンやMTRと接続することによって本格的なレコーディングや音の加工が簡単にできます。
◎ 練習に活用できる
メトロノームや録音機能などレッスンの補助機能が内蔵されている機種が多く、自宅練習に活用できます。
また、メーカーから配信されるミュージックデータをダウンロード→再生して、バンドやオーケストラの伴奏で練習したり、課題曲のソングデータを再生して自宅で模範演奏を聴く、といったような活用もできます。
メリットの多いデジタルピアノですが、デメリットもあります。
お話の続きは、次回へ・・・
2010/02/21 16:28:51
前回の続きです。
リニューアル(中古再調整)ピアノを選ぶ際の注意について。
まずは、未整備、または整備不良のピアノにご注意!
修理・調整にコストをかけず、元のユーザーから引き取った現状に近い状態で再販されるピアノです。
価格が安い反面、肝心の楽器としての性能や寿命に不安があり、購入後の維持(調律)や品質にも不安があります。
これは、オークションやweb販売品、地方業者さんの催事販売品に見受けられ、購入された地元のお客様からしばしばお電話なんかで修理のご相談をいただく事があります。
そして、実費の修理費用を考えると、きちんと整備されたピアノの方がかえって安価である場合もあります。
これは、譲り受けるピアノや、実家なんかで長年放置されているピアノにも同じことが当てはまります。
インターネットオークションには店舗で売れ残っているものも多く出店されており、いくら安くても慎重に入札すべきです。
ですので、車や物件と同じで、実際に展示されている商品を見て、弾いて、吟味して手に入れるのが原則です。
整備・調整の行き届いたピアノを選ぶには・・・
以前にもご紹介しましたが、こんな方法があります。
① 外観を見る
大きな傷や変色のあるピアノは、なるべく避ける。
② ピアノの中を見る。
店員さんに許可を取り、上面のフタを開けて中を覗いてみる。
異臭や、サビ、ホコリがあるようなピアノは往々にして調整不十分なので避ける。
③ 弾いてみる。
弾くのに抵抗がある場合は、定員さんにお願いして弾いてもらう。
子どもが弾く場合は、いま練習している曲なんかを弾いてみる。
2台弾いて比べると、どちらが良いかは子どもでも判断が出来る場合が多い。
④ 年式を確認する。
商品に表示されていない場合は、店員さんに確認を。
ヤマハ・カワイなどの量産ピアノの場合、寿命はコンディションの良いピアノでも40~50年。
年式が古くなるほど価格も安価になるが、製造から30年以上経過しているピアノ(1979年製以前のピアノ)はなるべく避ける。
なかには30年以上経過しても充分現役の名器はあるが、相応の修理コストがかけられ逆に高価である場合が多い。
などです。
「弾きやすい」「音がいい」と思えるピアノと、そうでないピアノとでは、演奏者の気分が変わるのはもちろん、演奏そのものや上達の度合いまで変わってきます。
ピアノは専門性の高い楽器であり、先生やプロの演奏家であっても、ピアノのメーカーやメカニズムによる違いを的確に判断するのは難しく、先入観を持たれているケースが非常に多いです。
また、先生の場合は、所属楽器店との結びつきにより、偏ったメーカーのピアノを推奨している方も非常に多いです。
ですので、先入観や不確かな情報にとらわれず、かえって自分の目と耳で判断したほうが正しい場合も多いのです。
最後に、リニューアルピアノを選ぶ際の秘訣をまとめます。
● 2店以上の店に足を運び、できるだけ多くのピアノを見て、弾いてみる。
● なるべく年式が新しく、コンディションの良いピアノを選ぶ。
● なるべく相性の良いピアノを選ぶ。
● 保証やアフターサービスの整った地元店で購入する。
2010/02/07 11:01:18
今年の沼津の冬は、例年に比べ寒い日が多いです。
寒いのがニガテな自分としましては、春の訪れが切に待ち遠しいこの頃です。
今回は、リニューアルピアノのお話。(FMボイスキュー『音楽のある暮らし』1/23放送分より抜粋)
『リニューアルピアノ』とは、要するに「新品ではない中古のピアノ」なんですが、メーカーや修理業者によって一定の品質基準に基づき修理・調整されたピアノを言います。
元のオーナーから引き取った現状で再販するのではなく、何がしかの修理や調整が施されて再販されるピアノです。
修理や調整の度合い、技術レベルは業者によってさまざまですが、品質が安定しており製品保証も備わっている場合が多い為、商品や購入先の見極めさえ間違わなければ、購入者側にとってのリスクは少ないピアノです。
ウチのようなピアノ専門店の場合は、買取(仕入れ)から修理・調整を社内で実施し、間接経費(外注加工費)を削減しながら品質を追求することで、商品価値をどんどん上げていく訳です。


<ピアノショップ沼津ショールームのリニューアルピアノ>
リニューアルピアノの魅力は、まず何といっても安価であること。
20万円前後から安心して演奏できるピアノがあり、新品のピアノと比較して半額程度の予算で手に入れることが出来ます。
ただ、新品のピアノでも、地方業者さんがwebや催事でアジア(主に中国)製のピアノで極端な値引きをして販売されている商品もありますが、これは国産の中古品より寿命や品質が保証できないものが多いのが実情ですので、ご注意!!です。
価格のことを言うなら、デジタルピアノのほうがもっと安い、ということになりますが・・・
デジタルピアノも、テクノロジーの進化とともにピアノの代用品としてかなり違和感のないものになりましたが、20万円くらいまでの普及価格帯のものは、ピアノと比較すると音質もタッチ(弾き心地)もまだまだ違いが歴然としているのが現状です。
この違いは、ピアノ教室に習って間もない子どもでも分かります。
上達やその後のピアノや音楽との長いお付き合いを期待するのであれば、結局はピアノ(アコースティックピアノ)が圧倒的に有利であるのは事実。
ただ、社宅や賃貸マンションの場合は規約によってピアノの持込が規制されている場合があり、デジタルピアノなら許可される場合が多いです。
ピアノの持込ができない環境でピアノの演奏が楽しめる、といった点ではデジタルピアノは意義のある楽器であると思います。
近年ではデジタルピアノも多機能化し、webでダウンロードした音楽データを伴奏にして演奏したり、自分の好みにあわせて音色を擬似的にカスタマイズしたり、デジタルピアノならではの楽しみ方が広がってきています。
このお話は、また改めてアップしたいと思います。
ですので、一戸建てや分譲マンションにお住まいの場合は、設置スペース(タタミ一畳より狭いスペースです)を確保したうえで、ピアノ(アコースティックピアノ)を手に入れるのがベターなんです。
音の対策は、ピアノを設置する向きや部屋、また簡易的な対策で解消される場合が以外に多いです。
次に、リニューアルピアノには音質やタッチが良いものが多い、ということ。
現在製造されているピアノよりも、良質の材料が使用され、純国産品であった(ライン作業は熟練の技術者により作業されていた)ため、響きや弾き心地が良いピアノが多いのです。
これは、再販する販売店の修理・調整のレベルやモラルに拠るところが大きいのですが・・・
良いリニューアルピアノを手に入れる原則は、店と商品を“比較する”ということです。
少なくとも2つ以上の楽器店に足を運び、店の雰囲気や応対、商品を比較検討すれば、おのずとどちらが良いかは判断できます。
選び方については、お時間のある方はぜひこちらをお読み下さい。
↓ ↓ ↓
中古ピアノ(リニューアルピアノ)の選び方①
http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/45/
中古ピアノ(リニューアルピアノ)の選び方②
http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/46/
次回は、リニューアルピアノの注意点についてお話します。
寒いのがニガテな自分としましては、春の訪れが切に待ち遠しいこの頃です。
今回は、リニューアルピアノのお話。(FMボイスキュー『音楽のある暮らし』1/23放送分より抜粋)
『リニューアルピアノ』とは、要するに「新品ではない中古のピアノ」なんですが、メーカーや修理業者によって一定の品質基準に基づき修理・調整されたピアノを言います。
元のオーナーから引き取った現状で再販するのではなく、何がしかの修理や調整が施されて再販されるピアノです。
修理や調整の度合い、技術レベルは業者によってさまざまですが、品質が安定しており製品保証も備わっている場合が多い為、商品や購入先の見極めさえ間違わなければ、購入者側にとってのリスクは少ないピアノです。
ウチのようなピアノ専門店の場合は、買取(仕入れ)から修理・調整を社内で実施し、間接経費(外注加工費)を削減しながら品質を追求することで、商品価値をどんどん上げていく訳です。
<ピアノショップ沼津ショールームのリニューアルピアノ>
リニューアルピアノの魅力は、まず何といっても安価であること。
20万円前後から安心して演奏できるピアノがあり、新品のピアノと比較して半額程度の予算で手に入れることが出来ます。
ただ、新品のピアノでも、地方業者さんがwebや催事でアジア(主に中国)製のピアノで極端な値引きをして販売されている商品もありますが、これは国産の中古品より寿命や品質が保証できないものが多いのが実情ですので、ご注意!!です。
価格のことを言うなら、デジタルピアノのほうがもっと安い、ということになりますが・・・
デジタルピアノも、テクノロジーの進化とともにピアノの代用品としてかなり違和感のないものになりましたが、20万円くらいまでの普及価格帯のものは、ピアノと比較すると音質もタッチ(弾き心地)もまだまだ違いが歴然としているのが現状です。
この違いは、ピアノ教室に習って間もない子どもでも分かります。
上達やその後のピアノや音楽との長いお付き合いを期待するのであれば、結局はピアノ(アコースティックピアノ)が圧倒的に有利であるのは事実。
ただ、社宅や賃貸マンションの場合は規約によってピアノの持込が規制されている場合があり、デジタルピアノなら許可される場合が多いです。
ピアノの持込ができない環境でピアノの演奏が楽しめる、といった点ではデジタルピアノは意義のある楽器であると思います。
近年ではデジタルピアノも多機能化し、webでダウンロードした音楽データを伴奏にして演奏したり、自分の好みにあわせて音色を擬似的にカスタマイズしたり、デジタルピアノならではの楽しみ方が広がってきています。
このお話は、また改めてアップしたいと思います。
ですので、一戸建てや分譲マンションにお住まいの場合は、設置スペース(タタミ一畳より狭いスペースです)を確保したうえで、ピアノ(アコースティックピアノ)を手に入れるのがベターなんです。
音の対策は、ピアノを設置する向きや部屋、また簡易的な対策で解消される場合が以外に多いです。
次に、リニューアルピアノには音質やタッチが良いものが多い、ということ。
現在製造されているピアノよりも、良質の材料が使用され、純国産品であった(ライン作業は熟練の技術者により作業されていた)ため、響きや弾き心地が良いピアノが多いのです。
これは、再販する販売店の修理・調整のレベルやモラルに拠るところが大きいのですが・・・
良いリニューアルピアノを手に入れる原則は、店と商品を“比較する”ということです。
少なくとも2つ以上の楽器店に足を運び、店の雰囲気や応対、商品を比較検討すれば、おのずとどちらが良いかは判断できます。
選び方については、お時間のある方はぜひこちらをお読み下さい。
↓ ↓ ↓
中古ピアノ(リニューアルピアノ)の選び方①
http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/45/
中古ピアノ(リニューアルピアノ)の選び方②
http://pianoshop.blog.shinobi.jp/Entry/46/
次回は、リニューアルピアノの注意点についてお話します。
2009/11/13 16:25:23
今回は、ピアノの表面のお手入れについてのお話をします。
ピアノの表面仕上げには、過去は漆塗りやラッカー塗装が施されていましたが、現在ではポリウレタン(樹脂)塗装が施されています。
ポリウレタン塗装の厚みによって、艶出しの仕上げにしたり、半艶または艶消しの仕上げにしています。
まずは、艶出し塗装のピアノのお手入れについて。
艶出し塗装とは、下の写真のように表面にツヤや光沢のある塗装で、黒塗りのピアノのほとんどがこれにあたります。
まず最初に、表面についたホコリやチリを毛ばたきで払い取ります。
ホコリを払わずに拭き取りを行いますと、塗装面に細かなキズをつけてしまいますので、注意が必要です。新車の塗装面のように、デリケートに取り扱う必要があります。
そして、ホコリを払い取った後に、楽器用クロスか柔らかい布でカラ拭きします。毛の硬いぞうきんなどは使用しない方が良いでしょう。
油膜など、カラ拭きで取れない汚れが有る場合は、水または中性洗剤を薄めたものを含ませてよく絞った布で拭き取ります。
ピアノ用ワックスを併用すると、ホコリや汚れが付着しにくくなりますので、効果的です。
ワックスは、車と同じで3ヶ月や半年に1回といったように、定期的に使用することをお勧めします。
市販の化学雑巾や中性以外の洗剤(製品ラベルでよく確認して下さい)は、成分によっては塗装面の樹脂と化学反応を起こし、ツヤを消してしまって白く変色することがありますので、使用は避けていただいた方が良いです。アルコールやシンナーなどの溶剤の使用も厳禁です。
次に、艶消し(半艶)塗装のピアノのお手入れについて。
艶消し(半艶)塗装は、下の写真のように木目仕上げのピアノに多いです。
毛ばたきでホコリを払う → クロスで拭き取る というのは艶出しのピアノと同じ要領です。
ただし、ワックスは艶出し塗装用のものがほとんどであり、艶消し(半艶)塗装のピアノに使用しますと塗装面のツヤにムラが出来てしまいますので、ご注意ください。
また、鍵盤のお手入れも、塗装面と同様です。
ただし、ワックスを塗ると滑りやすくなり弾きにくくなりますので、使用は避けましょう。
女性が演奏される場合は、マニキュアを塗った爪で演奏されますと、マニキュアは塗料と同じですので、鍵盤の表面にマニキュアが移ってしまいます。なるべく避けられた方が良いと思います。
マニキュアが鍵盤に移ってしまい、慌てて鍵盤に除光液を塗る・・・鍵盤の表面が溶けて変形してしまいますので、これも厳禁です。
最後に、ピアノを綺麗に清潔に保つ秘訣は・・・
まず、演奏者が手を清潔にする、ということです。
汚れた手で弾かないことと、弾いた後に必ず鍵盤や汚れた箇所を拭くことを習慣づけると良いでしょう。
楽器を綺麗にする、という習慣から、楽器を大切に扱うといった意識も生まれます。
お子さまへのしつけの面からも、ぜひお手入れの習慣化をお勧めします。
2009/11/03 12:57:55
美しい音を奏で、人の心を豊かにするピアノ。
親から子へ、子から孫へ、その大切な思い出とともに受け継いでいきたいものです。
今日は、ピアノを末永く愛用していただくために、ご家庭で出来るお手入れの方法を、何回かに分けてアドバイスさせていただきたく思います。
まず、ピアノの故障原因についてお話しします。
ピアノの故障のうちの多くは、使用状態が原因ではなく、実は湿気によるものなのです。
ピアノには、木材や鉄が多く使用されています。湿気を含むと膨張し、木材→カビの原因になり、鉄→サビの原因になります。
そして、鍵盤やアクション(鍵盤の動きを弦に伝えるしくみ)の動作不良やタッチへの悪影響、音色や響きへの悪影響につながり、ピアノの寿命そのものに致命的なダメージを与えてしまうこともあります。
ですので、高温多湿である日本の風土の場合、まずは湿気に対する意識と対策が必要なのです。
ピアノにとって適当な湿度は、40%~70%の範囲とされています。
まず最初に、100円ショップやホームセンターなどで湿度温度計を準備してピアノの近くに置き、ピアノの部屋の湿度の状況を確認して、現状を知ることから始めましょう。
海抜が0mに近く内陸でない地域ほど湿度の影響は受けにくいと思いますが、海抜が高く内陸の地域は湿度が70%を超える頻度が高く、また、雨季、雨や雪の日は湿度に注意が必要です。
雨などの湿度の高い日は窓や戸を必ず閉めて湿気を防ぎ、湿度が適当であり風通しの良い日は、たまにはピアノの上部と鍵盤の蓋を数時間開けて通気してみましょう。
また、慢性的に湿度の高い地域では、除湿機の使用やルームエアコンのドライ運転の使用をお勧めします。
調律師さんにご相談いただき、ピアノ専用の乾燥剤やダンプチェイサー(ピアノ用ヒーター)をご利用いただくのも効果的です。
乾燥剤をご自分で調達される場合は、商品によっては吸湿後、逆に加湿してしまうものがあったり、効果のないものも見受けられますので、十分にご注意ください。
ピアノと同じ部屋で洗濯物の部屋干しをされる場合も、湿気には十分に注意していただきたいです。
ピアノをLDKなどキッチンと同じスペースに設置されている場合、コンロを使用される際は必ず換気扇を長めに回し、湿気が室内にこもらないように心掛けてみてください。
ピアノの上面や周囲に水槽や花瓶がある場合は、場所を移動していただいたほうが良いです。
次に、乾燥について。
過度の乾燥も、外装表面のひび割れなどの悪影響を及ぼす原因となります。
まずは、直射日光。厚手のカーテンを準備し、ピアノに日光が当たらないよう遮光してください。
また、エアコンやファンヒーターを使用する場合、吹き出し風がピアノに直接当たらないように風向を調節してください。
・・・続きは次回で。