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前回の続きをお話します。


良い中古ピアノを選ぶポイントについて。

まず、実際に展示されているピアノのなかから選ぶ必要がある、ということです。

中古車を選ぶのと同じで、現品を確認せずに選んでしまうのはかなりリスクが高いです。インターネット販売等でいくら画像が掲載されていても、タッチ(弾き心地)や音色を確認するのは不可能です。

ですので、ご足労はかかりますが、なるべく多くの店に足を運び、展示されているピアノを確認することから始めましょう。


では、ポイントについてご説明します。


まず、<①年式の新しいピアノを選ぶ>ということです。

年式が新しいということは、つまり製品寿命が長い=長く付き合えるピアノ、ということになります。
年式は、良識ある店の場合はプライスカードに表示されている場合もありますが、記載されていない場合の方が多く、一般の方ではなかなか判定できませんので、店員さんに確認すると良いでしょう。

年式が経過しているほど価格が求めやすくなりますが、製造から30年以上経過しているピアノは、寿命を確保する理由から慎重にお選びいただく必要があります。

なかには、輸入ピアノや国産ハンドメイドのピアノで30年以上経過しても十分現役の名器はありますが、再販にあたって修理や調整に相応のコストがかけられてコンディションが整えられており、逆に高価な場合があります。


次に、<②コンディションの良いピアノを選ぶ>ということです。

「コンディションの良いピアノ」とは、品質が良く故障の少ない、タッチや音の良好なピアノです。しかしながら、ピアノのコンディションを見極めることは業界に従事するプロでも難しいことです。

ただ、誰でも目や耳で簡単に確認できることがありますので、次にいくつかご紹介します。


● 外観を見る
大きなキズや変色のあるピアノは、なるべく避ける。

● 店員さんに許可を取った上で、ピアノの上部(フタになっています)を開けて中を覗き込む
異臭やサビ、カビ、またはシミやホコリがあるようなピアノは、往々にして調整不十分のピアノであり、極力避ける。

● 弾いてみる
弾くのに抵抗がある場合は、店員さんにお願いして弾いてもらう。

お子さまが弾く場合は、いま練習している曲を弾いてみましょう。1台弾いただけではなかなか分かりませんが、2台以上弾いてみると、どちらが好きかはお子さまでも判断できる場合が多いです。


そして最後に、<③相性の良いピアノを選ぶ>ということです。

演奏者が「弾きやすい」「音がいい」と思えるピアノと、そうでないピアノでは、演奏者の気分が大きく変わるのはもちろん、演奏そのものや上達まで変わってきます。

前回も書きましたが、ピアノは専門性の高い楽器であり、ピアノの先生や演奏家であってもピアノのメカニズムやメーカーごとの個性をご存じの方は少なく、根拠のない先入観や偏見を持たれている場合が非常に多いのです。

そういった方々に「なぜそのメーカーが良いと思いますか?」とお聞きしても、満足なお答えが返ってこなかったり、特定のメーカーが発信している偏った情報である場合がほとんどです。

ですので、先入観や不確かな情報にとらわれず、ご自分の目と耳で判断した方が、かえって正解となる場合が多いのです。


また、中古ピアノを選ぶ際のタブーについて、お話しします。

まず、インターネット販売品です。これはリスクが高い!良いピアノ選びは画面上では不可能であり、その後のメンテナンス(調律)や品質保証を考えますと・・・お分かりですよね。家屋をインターネットで購入する感覚に近いかもしれません。

また、オークション出展品、これもハイリスクです。個人でなく店舗の出展品であっても、何らかの理由で売れ残っていたり払い下げたいものが多く出展されており、いくら安くても慎重に入札する必要があります。


最後に、まとめ。

● 中古ピアノは現品販売のため、なるべく多くの地元店に足を運び、できるだけ多くのピアノを見て、触れる。
● なるべく年式が新しく、コンディションの良いピアノを選ぶ。
● なるべく相性の良いピアノを選ぶ。
● 保証やアフターサービスの整った店で購入する。


中古ピアノでも、正しく選ぶと現行商品よりもタッチや音の良いピアノが、数多くあります。
皆さまが良いピアノに出逢う参考となれば、幸いです。


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今日は、地元FM局「エフエムみしま・かんなみ(FMボイス・キュー 77.7MHz)」さんで担当しておりますコーナー「音楽のある暮らし(第4土曜日11:20~)」の6月27日(土)放送分より、お話をさせていただこうと思います。


今回のテーマは、「中古ピアノの選び方」について。

ここで言う“中古ピアノ”とは、楽器店や買取専門業者によって元のオーナーより買い取った後、別のユーザーへ再販されるピアノのことを指します。


まず、中古ピアノのメリットについて。

何といっても、新品のピアノと比較して安価、ということです。限られた予算でアコースティックピアノを手に入れることができるのは、魅力ですよね。

当社ショールームでの例を挙げますと・・・ヤマハの最も安価な新品ピアノ=【YM5 税込定価441,000円】に対し、中古(リニューアル)ピアノ=【U1M(1982年式) 税込価格258,000円】と、かなり安価に入手することができます。


次に、中古ピアノのデメリットについて。

まず、製品寿命に対する不安がありますよね。当たり前の事ですが、新品ピアノと比べて年数が経過した分だけ寿命が短くなる、ということです。

ピアノの響板(弦の音をピアノ独特の豊かな音に膨らませる板材)には寿命があり、一般的に流通するヤマハ・カワイのアップライトピアノで40~50年、輸入ピアノで60年以上といわれます。

また、品質に対する不安があると思います。

年数が経過した分だけ、また演奏された分だけ部品単位での消耗や劣化があるため、良く調整されたピアノ、コンディションの良いピアノを見極めて手に入れる必要があります。


では、製品寿命に不安のない、コンディションの良いピアノをどうやって選ぶのか?

新品のピアノであれば、メーカーが希望小売価格を設定しますが、中古ピアノの場合は販売店が価格を設定しますので、店によって基準が大きく異なるのが現状です。

また、再販にあたっての修理や調整を実施するかどうか、実施するとすればどの程度の修理や調整を実施するのかも店のモラルにかかっており、品質基準も店によって異なるのが現状です。


ピアノは専門性の高い楽器であり、ピアノの先生や演奏家であってもピアノのメカニズムやメーカーごとの個性をご存じの方は少なく、根拠のない先入観や偏見を持たれている場合も非常に多いのです。

ですので、中古ピアノの良し悪しを判断するのは、ピアノに精通したプロのアドバイスがないと難しい一面があります。


次回は良い中古ピアノを選ぶポイントについて、ご案内したいと思います。
 

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沼津では穏やかな暖冬が続き、例年より早く梅や早咲きの桜があちらこちらで開花しています。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?


さて、今日はインターネットで販売されているピアノについて、意見したいと思います。

先に結論を言いますと、インターネットで購入しても間違いではないピアノは、百歩譲っても「デジタルピアノ」のみなんです。


なぜ、インターネットで価格の比較をして購入するのが間違いなのか?

答えは、いたって簡単です。

● 売価が安くなっている場合は、製品に相応の理由がある場合が多い。
  チョイキズ修理品、滞留在庫、型落ち品、調整不十分、長期展示処分品、などです。

● ピアノのコンディションの判断が出来ない。
   ピアノは、技術者(調律)による然るべき調整が施されて、はじめて性能と寿命が保証されるものです。
   コストダウンの為に、然るべき調整が省略されてるケースが多いです。

● 保証やメンテナンスが受けられない
   販売の際は長期保証や調律師の派遣を約束している販売業者が、納品後にお客様を放置するケースは、地元でも枚挙にいとまがありません。

などの理由です。


特に中古ピアノの場合、修理・再調整の有無や程度、製品保証、価格設定は販売店が行っており、購入するお客様の立場からすると、非常にリスクが高いです。
一戸建ての家屋をインターネットで購入する感覚に近いかも知れません。

同じ年式の同じメーカー・型番のピアノであっても、もともとのコンディションや修理・再調整で、音色も弾き心地も、外観も、もちろん寿命も、全く別のピアノになるからです。


ピアノの価格は、材料費と人件費が大きなウェイトを占めます。

● 製品価格を削る → 設計を省略する。また材料(木材や鉄鋼)の等級や部品、材料そのものを安価なものに下げる。

● 人件費を削る → 国外(中国・韓国・東南アジア)で生産する。または必要な作業や調整を省略する。

ということになります。

他地方量販店さんが販売される、一般的ではないブランドのピアノの利益率が高いのは、そのような理由があります。

そして、インターネットで販売されるピアノは、外観は綺麗に仕上げられていたとしても、肝心の音色や弾き心地、寿命が著しく酷いピアノも数多くあります。

地元のお客様から、インターネットで他地域の楽器店さんから購入されたピアノについて改めて修理や調整のご相談をいただくことがありますが、多額のコストを必要とする場合、または手の施しようが無い場合も、多くあります。


ですので、ピアノをお選びになる時は、

● 地元のなるべく多くの販売店に行かれること
  ピアノは、ご家庭に届いてからの変化が非常に多い楽器です。お付き合いが非常に長いですので、然るべきメンテナンスや保証が受けられるかどうか、言いたいことをきちんと伝えることが出来る店かどうかが、重要なポイントになります。

● なるべく多くのピアノをご覧になって、お弾きになること
  ピアノを弾かない方でも、目と耳で確認できることは多くあります。
  小さなお子さまであっても、右手だけでも何か弾かせてあげて、ピアノとの相性を見てあげてください。

そして、プロのアドバイスをよくお聴きになったうえで、慎重に判断されることをお薦めします。


音楽とピアノを愛する全ての人が、良いピアノに出逢われることを願って。


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・・・前回の続きより。


購入を検討するピアノが決まったら、次は店選びです。

イニシャルコストの比較は、とても大事なことですよね。出来るだけ比較検討したいものです。しかし、もっと大事ことがあります。


まず、11/29でも書きましたが、国内外を問わず正規ディーラーでの信用のおけるブランドで、30%以上の値引きは、まず有り得ません。あったとしても、B級品やチョイキズ品、または展示処分品や流通に長年滞留する型落ち品、あるいは信用のおけるブランドではないのかも知れません。

インターネットや外販催事を主体とし、値引き表示を前面に打ち出した販売をされている業者さんもありますが、これには疑問と懐疑心をお持ちいただいた方が良いかも知れません。

特に衛星都市にお住まいの場合、例えば首都圏の業者さんというと何となく企業規模が大きい=安心でお値打ち感がある、といったブランドイメージを持ってしまう傾向って、ありませんか?これも、ピアノ業界では一概に当てはまりません。


また、ピアノは(楽器全般に言えることですが)メーカーで組み立てただけでは美しい音色や良いタッチは得られません。出荷段階での調整、納品後の調整によって、初めて美しい音色や良いタッチが得られます。

メーカーでは、出荷時に必要最低限の調整のみを施しますので、そのままのコンディションでも弾けない訳ではありませんが、

●鍵盤やオクターブごとの音色のバラツキ(音の硬さ、柔らかさ)
●鍵盤やオクターブごとの音量のバラツキ(同じ力で打鍵したときのボリューム感の差)
●タッチのバラツキ(打鍵後の音の立ち上がりのタイミングや鍵盤の重さ、高さの差)

など、調整が必要な余白を残して出荷されます。


ところが、値引きを優先するお店では、物流コストや調整の為の技術者の人件費の削減の為、まずこれらの調整が実施されません。ご自宅にピアノが届いた後の満足感が全く違ってくるのはもちろん、その後の製品寿命に悪影響を与える結果になります。

この出荷と納品時の調整によってピアノのコンディションは劇的に変化し、良い状態で維持され、心地良い演奏を可能にします。もちろん、ランニングコストも変わってきます。


ここにコストをかけるかどうか、どこまでの調整をするかは、それぞれのお店の判断となります。

メーカー(またはメーカー指定の物流会社)からピアノが直送される場合は、グランドの上位機種を除き、まず実施されていないと考えるのが普通です。インターネットや他地方の外販業者さんの場合、最寄のメーカー物流センターよりピアノが直送されますので、まずこちらも実施されません。


ただし、経験豊かな演奏者や技術者でない限り、万全な調整が施されたピアノかどうかを判別するのは、非常に難しいです。

ですので、然るべき出荷調整がなされているのか、また納品後の保証がどうなっているのか(ピアノがご自宅に届いた後の調律作業は微調整であり、限られた時間と限られた材料・道具での調整となりますので、調整できる範囲は限られています)を、お店の方へよく確認されてはいかがかと思います。

もちろん、姿勢の正しいお店なら、演奏者のリクエストを調整によってピアノに反映しますので、お店と相談して更に理想の音やタッチのイメージに近づけることも出来るかも知れません。


また、ピアノの製品寿命は、量産モデルでも40年以上であり、お付き合いが非常に長くなります。

ピアノは、「気に入らないから次の機会に買い換える」といった消耗品的発想は当てはまらない、かけがえのない文化的財産なんです。お子さまのピアノの場合、独り立ちした後もお付き合いは続きます。

ですので、信用のおける保証とアフターサービスの体制を持っている店かどうかも、非常に重要です。同業者として非常に恥ずかしい実例ですが、チラシ等で「10年保証」を記載しておきながら、実際はほとんどの修理経費をお客さんへ請求する他地方外販業者さんのケースや、定期調律どころか納品後のサービス調律すら来ないインターネット業者さんのケースもあるようで、地元のお客さまから度々お電話などでご相談をいただいています。



話は長くなりましたが・・・

●価格比較を優先して、訪問したことの無いお店でピアノを購入するのは非常に危険
●然るべき調整が施されているかどうかで、ピアノの性能と寿命は大きく変わる
●「メーカー直送」は、ピアノにとって何の得も無い(生モノじゃありません!)
●技術力やアフターサービスの体制を備えたお店選びが大切(その後のメンテナンスを重視し、なるべく地元業者さんで購入する)

ということが、少しでも伝わりましたでしょうか?

毎度つたない長文で、失礼します。
今日も最後までお読みいただき、有難うございました。




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今年もいよいよ師走に入り、日常の慌ただしさを肌で感じる季節となりました。

さて今日は、新品ピアノ選びのポイントについて、ご紹介したいと思います。「新品ピアノ」には「国産(国内メーカー)」のピアノと「輸入ピアノ」がありますが、今日は「国産(国内メーカー)ピアノ」の選び方について、アドバイスをさせていただきます。


まず、「国産ピアノ」にはどんなブランドがあるか、みなさんご存知ですか?

現在、国内市場にピアノを供給している主な国内メーカーとブランドは、次の通りです。

・ヤマハ(ヤマハ)
・カワイ(カワイ・シゲルカワイ・ディアパソン)
・東洋ピアノ(アポロ・クリストフォリ・コーラー&キャンベルなど)
・朝日ピアノ(ベーニング・ウェンドル&ラング・ウェーバーなど)

高度経済成長期やバブル期、国産ピアノの絶頂期には、何十ものメーカーとブランドがありましたが、現在では淘汰と吸収・合併を繰り返し、現存するメーカーやブランドは僅かとなりました。

また、ここ二十数年の国内供給量の急激な減少により、どのメーカーも生産ラインを海外(中国・東南アジアなど)に移し、または現地工場よりOEM供給を受けることで、生産体制を維持しています。

事実、純然たる国産(Made in JAPAN)と言えるブランドは、ヤマハ、カワイのグランドピアノの上位機種と、東洋ピアノのアポロ上位機種、ボストン(スタインウェイ&サンズの量産型でカワイ竜洋工場よりOEM供給)のみであり、国内メーカーが国内工場でピアノを生産する時代は終わりつつあり、海外で組立→国内で最終調整・チェック、という時代に変わってきています。

しかし、現在残っているメーカーはいずれも個性的であり(中には、これはどうかと思う低価格志向の中国製ブランドもありますが・・・)過去の「黒いハコ」といった工業生産品のイメージのピアノから脱却し、音色や弾き心地、デザイン性の優れたピアノを多く供給し、「ピアノはどれも同じ」という過去のイメージから、演奏者やオーナーの志向で「選ぶ」時代になりました。


では、どうやって選べばいいのか。

ピアノはメーカーや機種によって、デザインや弾き心地、音色が大きく異なります。ですので、なるべく多くの知識と見聞があった方が良いです。

販売店やメーカーのホームページ、または商品カタログで、多くの商品をチェックするのも良いでしょう。しかし、画面や紙面では、ピアノの持つ音色や弾き心地、雰囲気といったものは読み取ることが出来ませんよね。

ですので、なるべく実際に多くの商品を見て、触れて、特徴をある程度理解した上で、演奏者や予算、ライフスタイルに合わせてじっくり選ぶことをお薦めします。

メーカー系の音楽教室に通われている場合、そのメーカーが生産するピアノが販売されるように、店員さんはもちろん、先生も販売指導を受けています。ですので、当たり前ですが店員さんや先生は所属メーカーのピアノを鼓舞し、その他のメーカーに否定的です(これは、生徒さんの演奏者の適性や志向を無視した、ピアノを教材として供給するための施策であり、個人的には大反対です!)。

薦められた無難なピアノをお求めになるのも、間違いとは言いたくありません。でも、無難なピアノではいくら上達しても「無難な演奏」しかできないかも知れません。逆に、相性の良いピアノは、演奏者の演奏をより上達させ、より個性や演奏技術を磨くことができるでしょう。

ピアノと演奏者の相性があり、その良し悪しで演奏や上達が変わります。そして、前述の通り現在の国内メーカーのピアノは個性に富み、選択肢も増えました。特にお子さまの場合、これからの音楽人生を大きく左右するだけに、先入観や他人の情報で判断せずに、なるべく主観で選ぶことが大事です。


楽器は、演奏者の分身です。演奏者の個性と楽器の個性が重なった時、奏でられる音楽は一つの個性として人を魅了します。


そして、購入したいピアノが決まったら・・・

(次回へ続く)

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日増しに一層寒くなり、体調を崩しやすい季節になりました。

皆様、くれぐれもお体をご自愛いただきたいと思います。


さて、今日は、新品ピアノの価格について。

新品ピアノには、国産ピアノも輸入ピアノも、メーカーや輸入元が定める希望小売価格があります。

正規ディーラーは、メーカーや輸入元との取り決めや企業努力において割引率を設定し、それぞれのお客様へ販売を行います。もちろん、販売価格には正規商品を仕入れ、適正な出荷調整を施し、正しく販売・納品し、アフターサービスを保証する上で必要なコストが含まれる訳です。

ところが、適正な出荷調整や必要なメンテナンスを省略し、または正規外のルートで商品を仕入れ、「低価格」を武器に販売する業者さんも存在するのは事実です。

結論を申し上げますと、正規ディーラーでの信用のおけるブランドで、30%以上の値引きは有り得ません。あったとしても、B級品やチョイキズ品、流通に長年滞留する型落ち品なのかも知れません。


しかし、中国製・インドネシア製のピアノを30%以上(商品によっては半額!)の割引を摘要して販売される場合があり、これは相当注意して吟味していただいた方が良いかと思います。

ハンマーや弦がヨーロッパ製の部品を使用していたり、もともとのブランド名がヨーロッパに由来していることを取り上げ、セールスマンがその部分だけを強調し、中国製・東南アジア製のピアノをあたかもヨーロッパ製であるかのような錯覚を起こさせる。

お客さんは何の疑いも無く、ヨーロッパのイメージと値引の魅力に負け、契約してしまう・・・

所在のはっきりしないブランドや、中国製・東南アジア製の品質や耐久性のおぼつかないピアノの、セールスマニュアル。古き悪しき、業界の慣例なんです。

ピアノは最も構造の複雑な楽器であり、専門性が高いが為に、びっくりするような事が提供者側で平然と行われている場合があります。これは、高度経済成長期からバブル期にかけて、既に倒産した一部の量販チェーン店で展開されていたセールスの一例であり、現在でも同じ方法で販売されているケースがあるようです。


もちろん、値引率が多いのは、魅力ですよね。でも・・・ちょっと待ってください。

もともとの定価が、根拠のない高値で設定されていたとすれば、どう考えますか?


もう少し具体的に言いますと・・・

中国や東南アジアで10万円台の価格で製造されたピアノに高額な定価を設定し、販売ではロープライスを前面に打ち出すために大幅な割引をし、販売されるピアノがあったとします。

中国や東南アジアで製造されるピアノでも、ヤマハやカワイ、またはスタインウェイやベヒシュタインなど海外有力メーカーが監修するピアノであれば、品質や耐久性を保証するに価するブランドもあります。

でも、それ以外のブランドで上記のようなピアノがあったとすれば、相当慎重になってお選びいただく必要があると思います。



本日、理解に苦しむお問い合わせを数件いただきましたので、遭えて書かせていただきました。最後までお読みいただき、有難うございます。

地域の皆様が、良いピアノに出逢われることを願って・・・。



 

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今回より、良いピアノを選ぶポイントを何回かに分けてご紹介していきたいと思います。

まず、良いピアノの条件は、

① 鍵盤の動きが俊敏で弾き易い
② 音色に雑音やムラがなく深みがある
③ 表現できる強弱の幅や音色の幅が広い
④ デザインが優れている

などが挙げられます。

①から④の内容を、具体的に言いますと・・・


① 鍵盤の動きが俊敏で弾き易い

ピアノは楽器です。言うまでもなく、まず弾き心地が良くないといけません。弾き易い鍵盤とは、鍵盤を押えて指を離した後、もとに復帰するスピードの速い鍵盤をいいます。

指に吸い付くような感じと言いますか・・・早く戻る鍵盤は、それだけ次の反応が早いということになり、速いパッセージも弾き易いのです。グランドピアノの、アップライトに対する優位性は、鍵盤の戻りの早さにあります。

鍵盤そのものの軽さを強調する商品もありますが、軽い鍵盤はピアニッシモでの表現などがしにくい、タッチで音色を造りにくい等の欠点があり、慣れるとむしろ弾きにくくなる場合が多いので、適度な重みも必要です。


② 音色に雑音やムラがなく深みがある

ピアノは楽器ですから、もちろん良い音が奏でられるかどうかも重要ですよね。ところが、最近の量産型ピアノのなかには、部品や材木の等級が落ちてしまい充分な音量や音の広がりが出ないため、弦を強く張ってハンマーを堅くして、雑音や倍音を必要以上に混ぜて音をつくっているピアノも多くあります。

ダンパーペダル(いちばん右側の音の余韻を残すペダル)を踏んで、ド・ミ・ソなどの和音を、いろんなオクターブで弾いてみてください。キャンキャンと鳴る派手な音は、最初は分かりやすく良い音のように感じてしまいますが、ずっと弾いていると耳が疲れてしまいます。気になる雑音があっても、いけません。

また、低音部が極端にこもった音や裏返った音になったり、高音部の音が割れたりするピアノも、良くありません。どのオクターブも均一に音が出るかどうか、和音などで試してみましょう。


③ 表現できる強弱の幅や音色の幅が広い

ピアノは、優しく鍵盤を弾くと<小さい音・柔らかい音>になり、強く弾くと<大きい音・堅い音>になります。上級者になると、堅いピアニッシモ、柔らかいフォルテッシモを表現して、より表情豊かな演奏をされます。

強弱や音色の幅を、曲想や感情でコントロールしながら表現するのがピアノ演奏の醍醐味ですから、強弱や音色の幅が広いピアノは、弾いていても気持ちが良いものです。


④ デザインが優れている

特にこだわらないのも良いですし、上記の①~③を満たした上でデザインにこだわるのも良いと思います。

ピアノは大切な家財ですし、購入すると何十年もご自宅の同じ場所にある訳ですからね。インテリア性をデザインに取り入れたピアノ、ヨーロッパ家具を基調にしたピアノ・・・考えただけでも素敵ですよね。



ピアノはどれも同じ、と思っておられる方も多いのですが、メーカーや機種、生産国によって、上記の①~④が大きく異なります。

そして、その違いは、カタログやパソコンの画面で感じることは難しく、感じ方も人によってさまざまです。
ですので、より多くの現品を見て、弾いて、ご自分の五感で、感性で感じることが大事なんです。

弾くことのできない方でも、ピアノを姿勢正しく販売している店であれば、店員さんにお願いすれば必ず何かを弾いてくれて、ピアノの音色を聞き分けることができるはずです。

ぜひ、参考にしてみて下さい。

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“楽器の王様”ピアノは、数ある楽器のなかでも、最も複雑で専門性の高い楽器。
演奏者はもとより、楽器店の店員さんでさえも、ピアノに関する適切な知識を備えていない場合が多いのが現状です。

昨今ではいろんなピアノが流通しており、メーカー品とは名ばかりの耐久性の低い逆輸入ピアノや、適切な設計や調整が施されていない粗悪品も数多く流通しており、購入者がその本質を見きわめるのが大変難しくなっています。


そもそも日本のピアノ業界は、メーカー主導のもとで市場がつくられ、拡大されてきました。

1970年前後からの高度経済成長の波に乗り、メーカーが地域の楽器店に音楽教室を全国に展開させ、メーカーよりセールスの教育を施された教室講師や店員が、「楽器」としてではなく「教材」「道具」として生徒さんにピアノを薦め、生徒さんは先生に対する“信頼”でそれを購入する・・・という図式で、ピアノは各家庭に供給されていきました。


でも・・・ちょっと待って下さい。

音色も聴かず、鍵盤に触れずにカタログの写真を見ただけで購入した人が、どれほど多いことか!

「先生がいいと言っているから」という曖昧な基準で、一生に一台、一家に一台の大切なピアノを決めてしまって、結局は良いのか悪いのかわからないまま、ピアノ演奏の本当の素晴らしさを知らないままピアノを弾かなくなった人が、どれほど多いことか!

演奏する人の移り気ではなく、供給されてきたシステムに問題がある、と断言します!!


それに、地球規模で資源が枯渇して、もっともっとモノを大事にしないといけなくなった世の中で、未だに買換えや消耗を前提とした“メーカー的”な発想のもとでピアノが供給され続けている業界の現状には、断固反対!!

メーカーさん、もっとピアノが大好きな子ども達の成長や、音楽を愛する人達の気持ちを大切にしてください!!もっと地球の資源を大切に使ってください!!


話がだいぶそれてしまいましたが、それた話の流れで、次回より「良いピアノを選ぶ為のポイント」をご紹介していきたいと思います。

乞う、ご期待!!




 

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今回は、中古ピアノの修理・調整のことについてお話しします。

中古ピアノの製品保証や品質は、メーカー(工場)ではなく販売窓口(販売店)がその責任を負います。
販売店が中古ピアノを再販するにあたり、施される修理・調整のレベルにはいくつかの方法があります。



① 現状のまま(または外装の手磨きや調律のみ)で再販する方法
修理・調整のためのコストはほとんどかからず、提供者にとっても購入者にとっても金銭的メリットが大きい反面、楽器としての寿命や性能に問題がある場合が多い。


ピアノの寿命や性能についてはアマチュアの演奏者が判別するのはとても難しく、不適切な音色やタッチで練習を強いられてるのにそれに気づかない、また練習を続けた結果、適正な演奏技術が身につかず上達を妨げてしまう、ということがよくあります。

ピアノの上フタを開けて中を覗き込んでみると、カビ臭やホコリ臭がしたり、なかには害虫や害獣のフンや死骸が溜まっている事も・・・イヤですよね。

また、購入した時にはツヤのあった外装も、ワックスで簡易的に手磨きされたピアノはすぐに光沢が無くなり、または油膜や色ムラが浮いてきてしまい、見るも無惨なピアノになってしまいます。

低価格を前面に打ち出している販売店や、催事主体の販売店のピアノに多く見受けられます。地域のお客様よりインターネットショッピングやオークションで入手されたピアノの修理相談を承ることもありますが、やはりこういったピアノが多いようです。



② 外注へ委託修理を実施し再販する方法
あらかじめ修理・調整コストを決めたうえで、ピアノ修理専門業者へ修理委託をし、修理が完了したものを再販。修理範囲が限られるうえ間接経費や輸送経費が余分に必要となる。


販売店にとっては技術力や技術者の人件費、修理設備などの経費が必要ありませんので、一般的にはこの方法を取る販売店が多いです。

修理にはそれ相応のコストが必要ですが、範囲を決めずに外注修理をしますと販売価格が高騰してしまいますので、上限額を決めたうえで修理・調整を行われるケースが多いです。

つまり、ピアノを長い間安心して演奏するのに必要とされる修理・調整が施されているかと言いますと、疑問が残るわけですね。

また、もともとの販売店の計上するべき利益に加え、修理業者の利益も必要ですし、ピアノを修理するための輸送費も余分に必要となる訳です。


③ 自社内で修理・調整をして再販する方法
自社の技術者や設備によって修理・調整を行い再販。間接経費を抑え品質管理が行き届くため、信頼性とコストパフォーマンスの高いピアノを提供できるが、販売店に相応の技術レベル、技術者、設備が必要となる。


我が社もそうですが、専門店であればだいたいこの方式を取ります。専門店のウデの見せ所、とでもいいましょうか。中古ピアノの修理・調整は最も専門技術が問われるところですので、品質やコストパフォーマンスを企業努力によって追求し、信頼を得ようとする訳です。

また、販売金額のうえでも、修理・調整コストを固定経費でまかなっているため、同じ利益計上をしても実際の販売金額は比較的安価に抑えることができますので、お客様にとってもメリットは大きいのではないかと思います。


どんなピアノなのか、どんな方法でどんな修理・調整をしたピアノなのか・・・

大切に、長く弾きたいピアノです。
中古ピアノをお求めになる際は、当然のように確認するべきだと思います。必要であると思われたなら、ピアノの上フタを開け、または前板や鍵盤蓋を店員さんに外してもらい、奇麗に整備されているかどうかを目で確認すれば良いと思います。

どんな整備をしたかはお分かりにならなくても、ヘンな臭いがしないか、ゴミが溜まっていないか、見た目で奇麗なのかどうかは判断していただけると思います。


前回と同じコトを言いますが・・・良い中古ピアノを選ぶには、まず信用のおける販売店を見極めること、つまり“良いお店選び”が必要なんです。

皆様が、良いピアノに出逢えますように・・・。

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全国各地の楽器店で“中古ピアノ”が広く販売されている事実は、みなさんも良くご存知だと思います。


新品のピアノは決して安価ではなく、特にこれから成長されるお子さまのピアノとなりますと「なるべくローコストに抑えたい」と思いますよね。でも、上達や音・弾き心地を考えると、わが子にアコースティックピアノ(生ピアノ)を与えてあげたい。

また国産ピアノにいたっては、木材をはじめとする材料コストの高騰と、市場で需要と供給のバランスが崩れていることもあり、現在では「新品ピアノだから良い」とは必ずしも言えないのが事実。10年前、20年前のピアノのほうが良い音を奏で、弾きやすく、しっくり来る場合もあります。


そこで、中古ピアノの出番となる訳です。

現在では、その流通量は新品ピアノの出荷量を凌ぐともいわれる“中古ピアノ”。これから何回かに分けて、中古ピアノについてお伝えしていきたいと思います。


まず、販売価格について。


新品ピアノにはメーカーや輸入元が規定する「希望小売価格」、つまり定価が購入価格の目安となる訳ですが、中古ピアノには定価が存在しません。

中古ピアノであっても、もちろん元は新品ピアノであったわけで、もともと販売されていた定価はありますが、販売店は中古ピアノに関しては定価表示をする義務はありません。製造後の物価変動や年数経過により、購入価格の目安とはなり得ないからです。

ですので、中古ピアノの販売価格は、販売店が独自に設定する場合がほとんどで、同じ機種のピアノであっても販売店の設定基準によってかなりのバラツキがあるのが事実です。


「じゃあ、安い店を探すのがいい?」というふうになってしまいますが、これはあまり良くありません。中古ピアノは、販売店のモラルによってコンディションが全く異なり、音色や弾き心地、寿命が異なってくるからです。

中古ピアノを再販し、安心して使い続けていただくには、然るべき修理や調整が必要です。修理や調整には、もちろん相応の技術とコストが必要です。それを販売店が責任を持って施し、企業努力によってコストパフォーマンスを追求しているかどうか、が問題なのです。


修理や調整の度合いも販売店によってバラツキがあり、それを消費者が見極めるのは至難の業です。
(修理・調整に関することは、後日改めてお伝えしたいと思います)


ただ、価格破壊を前面に打ち出す販売店、特にインターネット販売や催事販売を主体とした販売店には、われわれ同業者からしても実情には恥ずかしくて目を覆いたくなるようなところが数多くあります。

どの業種にも当てはまることですが、度を越えた安売り店の商品は、「安物買い」のなんとやら、になり兼ねないですよね。


ピアノと人のお付き合いは、とても長いものです。中古ピアノであっても、一生に一台の買い物になるかも知れない、大切なピアノ。

ですから、良い中古ピアノを選ぶには、まず信用のおける販売店を見極めること、つまり“良いお店選び”が必要なんです。


店構えや雰囲気、店員の態度、接客の応対、商品の状態・・・どれも実際に店に行かないと判断できないですが、店に行けばいろいろ見えてきます。


インターネットやチラシ等で価格情報をご研究なさった後は、ぜひお店に行ってみてください。
 

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